かわいいあくまへ

3歳男児と0歳女児の育児。沖縄在住。

どうしてこの牛乳、私が拭かなきゃいけないの?

3歳になったばかりの息子が牛乳をこぼした。
コップを置いたテーブルを彼が足で揺らしたからだ。
その前に私は彼に言った。
「牛乳こぼれちゃうよ、やめて。」
それでも彼はやめなかった。むしろ激しく揺らしだした。
あっという間に牛乳がこぼれて床に敷いてあるジョイントマットを汚した。
ジョイントマットだけじゃなく、彼本人の髪の毛や体にもかかったし私の服にもついた。

夫が雑巾を置いて息子を連れて行った。
拭くのは私。

今まで何度なく拭いてきた。
彼がこぼしたもの。
でも今日は拭きたくなかった。
「こぼすよ」って言ったのに。
「やめて」って言ったのに。
なんで私が拭かなきゃならないの?

なんで私ばっかり無条件に要求を受け入れなきゃいけないの?

おもちゃを投げられて
作ったご飯を拒否されて
理不尽に叩かれて
謎のルールの遊びに付き合って
それでも抱っこをせがまれて。
食べてくれなくてもご飯を作って。

洗濯物も一気に干せない。
料理も何度も中断される。


息子に「自分で拭きなさい」と言った。
「イヤだ!拭かない!」と返された。
私だって、嫌だ。

「自分でこぼしたんだから、自分で拭いて。」と強く言ったら泣き出した。
「お母さん、怒らないでー」
私だって、怒りたくない。
まるで、私が悪者だ。


疲れていた。
風邪を引いていた息子は、熱があっても日中は元気だった。
夜は高熱が出てつらそうにしていた。
私が少しでも離れると泣き出した。
下の子の授乳もあった。
シャワーも食事も大急ぎですませる。
連続して寝ることができなかった。
夫は不規則な仕事の為、別で寝ていた。
2人泣き出した時は助けてくれた。

息子は、かわいい。
彼が話す言葉も声も、表情も。
かわいくてたまらない悪魔だ。

かわいがりたいのに怒ってしまう。
苦しい。

優しいお母さんでいたいのに怒ってしまう。
自分が嫌いになる。

手だけは出すまいと思っているけど、
モノに当たっていたら同じだ。
私はなりたくなかった親になっている。
また自分が嫌いになる。

こんな親、嫌だろうなと思う。
思った直後に、馬鹿げた共感だと気付く。
どんなに嫌でも私は彼らの親。
それを私が哀れんでどうする。

私が私を好きになればいい。
あなたが大好きなお母さんは、もちろん自分の事を大好きよ。
と、胸を張って言いたい。

愛するお母さんが自分自身を嫌いだなんて、悲しいから。

私がどんなに自分を嫌いでも、息子は私を求めてくる。
家事をしてれば「お母さん、お母さん」と後ろからついてくる。
寝る時は抱きついてきてくれる。
発見したものを一番に教えてくれる。

これって、
「お母さん」でいるだけでいいってことかな。
おそるおそる良い方に捉えてみる。

お掃除が苦手でも、
お寝坊さんでも、
肌がたるんできてても、
怒ってしまっても。

息子にとっては、私が「お母さんでいること」で十分なのかもしれない。

私は私が嫌いだから、
まだ何も断言できないけれど。
今書きながら気付いた。
息子はいつも全力で私を愛してくれている。
親が与える物だと思っていた「愛情」
無償の愛を受け取っていたのは私の方だった。
産まれてきてくれた時から、ずっと私は息子に愛されていたんだな。
ありがとう。

もっと自分を好きなお母さんになろう。
子供達にも自分自身を好きになってほしいから。

「理想のお母さん」にはなれないけど、
「あなた達のお母さん」には、もうなっているんだもんね。