3歳男児に歯みがき粉を渡してみたら。
息子にはアンパンマンの歯みがき粉を使っている。
イチゴ風味の甘いやつ。
いつも私が歯ブラシにつけて息子に渡すんだけれども。
今日は、「おーち(自分のこと)がやる!」と。
案の定、出し過ぎて洗面所の床にポトリ。
それでもチューブを握り続ける息子。
そしてまた案の定、歯みがき粉を直接口へ。
おいおい食べる物じゃありませんよー。
と言いつつ、私も子供の頃は食べてたなぁと語気が弱くなる。
食べるわよね、甘くて美味しいもの。
とりあえず床に落ちた歯みがき粉を拭くべく、
ティッシュを取りに部屋へ戻る。
後ろから蛇口をひねって水を出してる音が追いかけてくる。
…洗面所へ戻りたくない。
息子はまだ歯みがき粉を吸っているかもしれない。
もしかしたら落ちたやつを素足で踏んでるかもしれない。
まだジャージャー水の音がしてるから、水遊びが始まったのかもしれない。
イヤイヤしながらやっと着替えたばかりのパジャマはびしょ濡れかもしれない。
その光景を見たら、私はまた言うだろうから。
「あー、だめだめ!」
「何してるの〜」
言いたくなーい。
見なければ言わなくてもいい。
リビングでギュッと目をつぶる。
息子の気が済むまで待ってみようか。
洗面所がめちゃめちゃにされそうだけど、その時はその時だ…。
目を瞑り、ティッシュを握りしめて、最悪の状況をシュミレーションする私。笑
「おたーたーん!ちょっとおいでー!」
意外と早く声がかかったな。
もう私はいそいそと片付け小言モードに入ってる。
「おーち、がっこーみたいに、できたよ!見て!」
誇らしげな息子が見せてくれたのは、
彼の為に低い位置に設置してあるタオル掛け。
手拭きタオルを自分で通す事が出来たのだ。
その私を見上げる表情がすごく可愛くて、愛おしかった。
ほんとにほんとにキラキラしてた。
パジャマは少しだけ濡れていて、
歯みがき粉は水でジャブジャブ洗濯され、
床に落ちたやつはやっぱり踏んでたけれど、
そんなの帳消しにしてくれるぐらい息子は嬉しそうで、すごいでしょ褒めて!!と私を見ていた。
息子を抱きしめて、すごいね!一人で出来たんだね!かっこいいー!
とたくさん褒めた。
私の小言なんかであの表情を台無しにしなくて良かった。
床を拭くのも歯みがき粉を無駄にするのも嫌じゃなかった。
あんな顔が見れたんだ。
私って幸せだ。